農業初心者の人でも田舎で失敗せずに始められる農業のやり方を解説します。
- 田舎で農業をやりたいが未経験で失敗しないか心配
- 農業する土地が無いので見つけたい
- 初心者でも出来る農作物が知りたい
- 農業で生活が出来るのか不安
- 農業するのに必要なものが知りたい
などの疑問や不安を解消するために
本記事では、家庭菜園などの解説ではなく
新規就農のために農業未経験者でも分かりやすいように解説します。
私は24歳で婿養子となり田舎へ嫁いで20年以上の月日が経ち、
勤めていた会社を辞め
新規就農者から今は県認定地域農業士になり現在も専業農家をしています。
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私が農業初心者だった時に知っていれば失敗しなくて済んだことなど
最後まで読んでもらえれば、必ず新規就農への第一歩が踏み出せます。
田舎で新規就農者が失敗しないための方法
まず農業未経験の人がいきなり農業を始めると必ず失敗します。
最初に、こういう事を言うと
「やっぱり、農業って難しいんだ」
と思うかもしれませんが違います!
私を含め、長年農業に携わっているベテランの人でも
みんな必ず何度も失敗はしています。
農業とは失敗を繰り返しながら
その経験を次に生かしていくものなのです。
失敗をしたことが無いという農家の人は、誰もいません。
農業とは、どれだけ近代化や研究が進んでも
植物という、生命を育てる仕事なのです。
では、失敗は避けられないのか
といいますとそうではありません。
同じ失敗をしないことが重要なのです。
そして、自分が失敗しなくても
先人たち農業ベテランの方がした失敗から学べばいいのです。
では、どうやって農業を学べば良いのか?
農業を学ぶための方法はたくさんありますが
私がおススメするのは
JA(農協)が主催する農業塾で学ぶことです。
JAグループでは、新たに農業を始める人の育成に力を入れています。
おススメする理由は
全国各地のどこにでもJAグループがある。
農業技術の習得以外にも、農業機械・施設等の資金調達サポート
土地の確保、地域ネットワーク、出荷サポートなど
他にも農業経営が軌道に乗るまでの様々な支援サポートが受けられます。
農業する土地を手に入れる方法
農業をするために必要になるのが土地ですが
空き地があるからと勝手に農作物を育てても
出荷することはできません。
農地という農業をするために登録された土地でしか
農業はできません。
では、どうやって農地を手に入れるか?
現在、農地に対しては自治体やJAグループもサポートが充実しています。
農地は個人同士での売買ができません。
農地を取得するには、各自治体にある農業委員会が窓口となって手続きをしなくてはいけません。
今は、田舎の過疎化や後継ぎ問題などによる担い手不足により耕作放棄地が増え、
JAと自治体が連携して『農地バンク』制度もあります。
農地バンクとは簡単にいうと農地の貸し手と担い手の両方が農地バンクに登録して両者をマッチングして契約する制度のことをいいます。
これにより、農業する土地を持っていなくても
農地を確保することができます。
まずは、JAか自治体のどちらからでもいいので
農地バンクに登録をしましょう。
初心者におススメの農業

では、初心者の人が農業始めるならどんな農作物がいいのか?
それはずばり、その地域で一番収入が得られている作物です。
初心者の人には、野菜類の栽培を進める人が多いでしょう。
確かに、収穫までのサイクルが短いし即収入に繋がります。
ですが、野菜づくりにも経費がすごくかかります。
『売れない』『単価が安い』野菜を作っても
苦労するばかりで、結局は経営悪化で失敗します。
趣味で栽培するのとは違います。
収入を得るための農業は、その地域で地元の特産物などの一番収入が得られる作物を作ることです。
また、特産物というのはその地域で栽培するのが適しているとも言えます。
また、初心者の間はその地域で高収入をあげている農家の真似をするのが一番です。
これは、JAなどを通じて交流を深めると親切な農家さんなら
良いアドバイスもしてくれるでしょう。
農業で生活するために必要なこと
農業を始めて数年は収入が安定しない、農機具やその他、農業に必要なものを買ったりなどして
生活をしていくのは、かなり厳しくなります。
事前に貯蓄など蓄えがあったとしても
初めて農業をするなら、支援や補助金などの制度を
うまく活用しないといけません。
国や田舎などの自治体の多くで、新規就農者に対する援助が受けられます。
サポートの種類も豊富ですが、ひとつ注意しなければならないことがあります。
支援や補助金などの制度は、最新の情報を知らなければなりません。
どういうことかと言いますと、制度には期間や変更があるということです。
前年度にはあった補助金の募集が今年度は無かったり、
要綱が変わっていて募集に該当しなかったりすることがあります。
事前に、最新の国や自治体の助成制度はチェックするようにしましょう。
農業するために必ず必要な物
農業をするにあたり、かならず必要になる物が以下の5つです。
- 軽トラックなどの運搬車
- 収穫コンテナ
- 倉庫(農機具や収穫した農産物の選別や保管)
- 消毒散布の動噴機械
- 除草機械(草刈り機など)
一般的なものから、あると便利なものまで順に紹介します。
軽トラなどの運搬車
収穫したものを運んだり、肥料や消毒する機会を積み込んだりと運搬車は必ず必要になります。
また園内道がない場合には、一輪車や荷台付き運搬機が必要です。
収穫コンテナ
収穫時には、収穫したものを入れる容器が必要になります。
出荷先によっては、収穫コンテナを用意してくれる場合もありますが、
少なからず自家用コンテナは必要になります。
倉庫
田舎の一軒家などでは、納屋と呼ばれる建屋がある家も多いですが、
団地やアパートに住んでいるなら農機具などの道具や機械、収穫した作物を選別したり、
小売りで販売する場合などの荷造りスペースが必要になります。
消毒散布の動力噴霧機械
農作物を育てるには、消毒はかならず必要です。
消毒するための機械には色々なものがあります。
一般的には、エンジンセット動噴タイプがあれば農業を始められるでしょう。
果樹などの広い園地では”SS”(エスエス)を使う農家もあります。
エンジンセット動噴
農業用高圧ポンプとエンジンの一体型
自走セット動噴
スピードスプレーヤー・ステレオスプレーヤー
SSなどと呼ばれる果樹の消毒作業で使用
ブームスプレーヤー

トラクターに搭載して広い圃場の消毒作業、除草剤散布に使用
農業用ドローン

最近、注目されている消毒用ドローン。



除草機械
農業をしていると雑草に悩まされます。
草刈り機は、かならず必要になってくるでしょう。
エンジン式草刈り機
ほとんどの農家に一台はあるエンジン式草刈り機。
充電式草刈り機
こちらは、充電式のタイプで重量が軽いのが特徴です。
ハンマーナイフモア
値段は高価ですが、それに見合った仕事をします。
乗用モア(乗用草刈り機)
こちらも値が張りますが、乗用で刈れるので楽ができます。
他にも細々したものや栽培する農作物によって必要なものがありますが、最低限必要なものを紹介しました。
農業をするために必要な物ですが、
全てを最初から購入しなくてもレンタルを利用するのも良いでしょう。
意外と農業を始めるにあたって
見落としがちなのが、農業に必要な物です。
新規就農者にとって最初にこれらを揃えるのが
負担になると思います。
先ほどの支援・補助金の説明でも言いましたが
助成で購入できるものがあるのでぜひ活用しましょう。
まとめ
農業初心者の人でも田舎で失敗せずに始められる農業のやり方を解説しましたが
まとめると
- JAが主催する農業塾に参加する
- 農地バンクに登録に登録して農地を確保する
- 地域の特産物を栽培して成功している農家を真似る
- 支援・補助・助成・交付金などの制度をフル活用する
- 農業で必要なものを知っておき予算を組む
後は、自身の情熱と忍耐力でがんばるしかないのですが
農業は、真面目に手抜きせずがんばれば
がんばった分だけ結果が出ます。
それは、長年農業をしてきた私が実感することです。
世話をさぼり、手抜きした年の収穫は、かならず良い収穫物になりません。
農作物も植物という生命があります。生きているのです。
生命を扱うという認識があれば、かならず数年後には成功していることでしょう。
本記事を読んで、少しでも田舎で農業を始めたばかりの人の参考になれば幸いです。